アートメイクの施術方法にはマシン(器械)彫りと手彫りの主に2種類があります。医療機関によってはどちらか一方の施術方法もしくは両方の施術方法を提供しており、希望によっていずれかの方法を選ぶことも可能です。
しかしそこで気になるのが、マシン彫りと手彫りのどちらがきれいに仕上がるのかということです。アートメイク施術を受ける部位やどんなデザインにしたいかによって適切な施術方法も異なるため、医療機関を選び施術を受ける前にマシン彫りまたは手彫りのどちらがいいのかある程度の知識があると安心です。
今回はとくに施術を受ける人が多い眉毛のアートメイクについてどちらの施術方法がいいのか、またアートメイクにおけるマシン彫りと手彫りの違いについて説明します。
アートメイク眉は手彫りの方がきれいとは限らない
眉毛のアートメイク施術ではより自然な雰囲気を作り出すために1本ずつ眉毛を描く手彫りがいいと捉えられる傾向がありますが、一概にそうとは言い切れません。
なぜなら最近ではマシン彫りであっても器械の性能が向上して色の薄さや濃さを出しやすくなり、色をぼかしたようなデザインにも対応できるようになり自然な眉に近い仕上がりを導くこともできるためです。とくに今人気の平行眉をデザインするときにはマシン彫りのぼかしの技術を生かすことで、理想の眉毛に導きやすくなっています。
たしかにペン型の専用器具を使って一本ずつ眉毛を描き足す手彫りは、よりナチュラルな色やデザインの眉毛に仕上がり、普段あまり化粧をしない人やナチュラルな雰囲気のある人に好まれる傾向があります。
一方でマシン彫りは専用器械を使って皮膚に染料を入れていくため、手彫りのようなナチュラル感を導くには不向きな面もあります。しかし上述のようにアイブロウのパウダーのようなぼんやりとしたラインを作ることができるので、ぼかした眉を好む人には向いているといえます。さらに器械の調整加減で色味の薄さや濃さを希望にそって作り出すことができ、色ムラもなく仕上げられるメリットも注目されています。
このように眉毛のアートメイク施術でマシン彫りと手彫り、どちらがきれいに仕上がるのかといえば結局はそれぞれの好みや希望する眉のデザインによるといえるでしょう。手彫りかマシン彫りどちらにするか迷うときは、施術前のカウンセリングで相談して決めることをおすすめします。
メディカルアートメイクのマシン彫りと手彫りの違い
次にメディカルアートメイクにおけるマシン彫りと手彫りの違いについて詳しく見てみましょう。
マシン彫りは専用器械で皮膚に規則的に色素をいれる
アートメイクのマシン彫りはアートメイク用の専用器械を使って皮膚に色素を一定の間隔で規則性を持って入れていく施術方法です。専用器械の先端についた針が自動的に細かく動くことで皮膚に着色を施します。
また専用器械も様々なタイプのものがあり、一般的にはアナログマシンとデジタルマシンに分けられます。これまで使用されていた旧式のタイプがアナログマシンですが、針の振れが大きく施術中に痛みを感じやすい、マシンの動きにばらつきが起こりやすいといったデメリットがあります。
一方でデジタルマシンは針の振れもデジタルマシンに比べて少なく、そのため皮膚の色素着色の偏りが減り、色味が均一的に入りやすい特徴があります。施術中に感じる痛みもアナログマシンに比べて少ないといったメリットも人気の理由です。
以上のような理由からマシン彫りではデジタルマシンを導入している医療機関が多いといわれています。
手彫りは手作業で皮膚に色素を入れていく
アートメイクにおける手彫りとは、施術者が自動で針が動く専用器械を使わずにペンの形をした器具を使って毛を一本ずつ描いていく技術方法です。ペン型器具の先端にはアートメイク専用の針が取り付けられるようになっています。
手法としてはマシン彫りのように均一に色を入れていくというよりは、もともとある眉毛の密度をさらに増やすように描き足すようなイメージです。
手彫りではストロークといわれる眉毛の毛並みを再現するのに適しており、より自然に近い色味やデザインを作り出すことが期待できます。
マシン彫りと手彫りの違いは施術方法と仕上がり
アートメイクのマシン彫りと手彫りの違いは、主に施術方法と仕上がり具合に見られます。
自動の専用器械を使って施術するのがマシン彫り、ペン型の専用器具を使って一本ずつ毛を描いていくのが手彫りです。
仕上がりではマシン彫りの方が眉の色を塗り潰したような感じのやや平面的な出来になりやすく、いかにもメイクをしたような感じに仕上がりやすいといわれています。ただし手彫りと比較して毛を一本ずつ再現することは難しい反面、アイブロウパウダーを使ったようなふんわり系の眉のイメージを作り出すことは可能です。
一方で手彫りはマシン彫りに比べると、手作業で毛を描くため自然な毛並みを再現しやすく、よりナチュラルな雰囲気のある眉を導くことができます。マシン彫りよりも細かい部分の調整もしやすく、眉頭から眉尻へ向けて自然なグラデーションも作り出すことも期待できます。ただしマシン彫りに比べて施術にかかる時間が多くなったり、その分痛みを感じやすくなるのがデメリットともいえます。
理想の眉に適した【マシン彫りと手彫りの併用】もあり
マシン彫りと手彫りの施術方法や仕上がり具合の違いを知るほど、ではどちらが自分の眉への施術に適しているのか分からないという人もいますよね。
その場合はまずはアートメイクでどんな眉にしたいのかイメージをしてから、その理想の眉に近づけるためにマシン彫りと手彫り、どちらが合うのか考えるとよいでしょう。
医療機関によってはマシン彫りと手彫りを併用できるプランを提供しているところもあります。例えばアートメイク眉の施術1回目ではマシン彫りでふんわりとしたデザインにしておき、施術2回目で細かい部分のデザインや色味の濃淡が調整できるように手彫りにして最終的に仕上げることもできるわけです。
ただしこれらの手法は医療機関で異なり、施術で使う針の種類や太さなども違います。さらにマシン彫りでも手彫りであっても施術を行う医療者の経験や手技の熟練さによって、仕上がりが自然で自分の希望とする眉に近づけるかどうかも異なります。
もともとの自分の眉毛がほとんどない人はマシン彫りや手彫りいずれか、または両方の技法を用いても自然で立体感がある仕上がりになりにくいことも起こりうると覚えておきましょう。
まとめ:失敗しない!マシン彫りor手彫りかは相談して決める
メディカルアートメイクといえば眉毛への施術が最も多く、施術方法も主にマシン彫りか手彫りの2つの方法があります。いずれの方法でも皮膚に色素をいれる医療行為としては変わりませんが、施術中の痛みの感じやすさや仕上がり感などに違いがあります。
より自然な眉毛を作りたい、きれいに仕上げたい希望がある場合は手彫りを選ぶ人も多いかもしれませんが、マシン彫りでも色味の濃淡が調整できたり、人気の平行眉のようなぼかした印象の眉を作りやすい特徴もあります。そのためアートメイク眉ではマシン彫り、手彫りどちらがきれいに仕上がるか一概に決めることはできません。
ここで最も大切なのはアートメイクでどんな眉にしたいのか、理想の眉に近づけるためにマシン彫りと手彫りのどちらの施術が適しているのかを判断することです。ただしその場合自分で判断することは難しいため、施術前のカウンセリングで専門家からアドバイスを受けてどの施術方法を選択するのがいいのか決めていくことをおすすめします。
執筆:編集部員D