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外傷・火傷・手術の傷跡などの再建施術、パラメディカルアートメイクとは?

パラメディカルアートメイクとは? アイライン
パラメディカルアートメイクとは?
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医療アートメイクは眉やアイライン、リップに施術をする医療行為ですが「パラメディカルアートメイク」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

パラメディカルアートメイクとはアートメイクの技術を使って体にできた外傷や火傷痕、手術によってできた傷跡、先天的にある皮膚の病気部分に色素を加えるなどの再建を行う施術のことです。海外でも1970年代から行われており日本の専門の医療機関で施術を受けることが可能です。

今回はパラメディカルアートメイクについてご紹介します。

1.パラメディカルアートメイクとは

パラメディカルアートメイクとは外傷や火傷、手術の傷痕にできた皮膚の色素の消失などをカバーする施術のことです。眉やアイラインなどに施すアートメイクの技術を使って行う治療となります。他の手術では再建が難しいと言われている治療をアートメイクの技術を用いて治療を行うというわけです。

パラメディカルとは「医療補助」を意味しており、別名「パラメディカルピグメンテーション(色素定着術)」や「医療補助アートメイク」、「パラメディカルタトゥ」とも呼ばれています。

後述しますがパラメディカルアートメイクは乳がん手術によって切除した乳輪や乳頭の再建、皮膚の色が白く抜ける白斑のカバー、頭髪のカバー(スカルプスキンニードル)などに対する施術が一般的に行われています。

2.パラメディカルアートメイクの特徴

はじめにパラメディカルアートメイクの特徴について見てみましょう。

・アートメイクと同様に皮膚の浅い部分に専用色素を入れる

パラメディカルアートメイクはアートメイクと同じく皮膚の浅い部分に専用マシンを使って専用色素を入れていきます。アートメイクと同様に皮膚内の色素が抜けにくく長持ちが期待できますが、色素は徐々に吸収されていくため皮膚に色素がしっかりと定着するまでに数回の施術が必要になる場合もあります。

・医療補助が目的(パラメディカル)の保険外医療行為である

私たちが一般的に考える眉やアイライン、リップラインに施術するアートメイクは外見や容姿を整える美容目的で行われますが、パラメディカルアートメイクは基本的に医療補助目的として施術が行われます。さらにアートメイクと同じく保険適応外の医療行為でもあり、自費診療となります。

パラメディカルアートメイクの施術は一般のアートメイクと施術方法は同様ですが、美容目的よりも傷痕や手術痕をカバーする意味で医療補助として捉えることができるといえるでしょう。

3.コンプレックスを解決!パラメディカルアートメイクの内容

ではパラメディカルアートメイクはどんな人の適応になるのか、広く認知されている施術例を挙げながら説明します。

・乳がん手術後の乳輪や乳頭の再現

パラメディカルアートメイクでは乳がん手術によって切除した乳輪や乳頭の部分に色素を入れる施術を行います。

乳がんの進行や術式にもよりますが手術によって乳房全体や乳輪乳頭部を失う女性も多く、傷跡も残ってしまいます。乳房や乳輪乳頭を失う喪失感は大きく、2014年からは乳がんで乳房を全て摘出した後に再び乳房を再建する手術は保険適応となり、乳房の膨らみをまた手に入れることができるようになっています。しかし手術によって乳輪や乳頭の色を手術前と同じ状態に戻すことは困難と言われていました。

そこでアートメイクの技術を使って乳輪や乳頭の色素を皮膚に入れて、術前の外見に近づけるようにするのです。さらに乳房再建術の時に乳頭部分だけ再建していない場合はパラメディカルアートメイクによって乳頭があるような3Dでの仕上げが可能な医療機関もあります。

・陥没乳頭や乳輪縮小術後のケロイド部分の修正

パラメディカルアートメイクは乳頭が乳輪よりへこんでいる状態を直す陥没乳頭の手術や大きい乳輪部分を縮小させる手術の後にできるケロイド部分に色素を入れて傷を目立たなくさせることもできます。

陥没乳頭や乳輪縮小術を受けた後には皮膚切開した部分に白いケロイド(瘢痕)が残ってしまう人もいます。その残ってしまった傷跡部分に本来の皮膚の色味を付け足してカモフラージュをし輪郭を修正することが可能です。

・外傷後の傷痕や熱傷によるケロイド・白斑を隠す

乳輪や乳頭部分の施術だけでなく、他の原因でてきた傷痕や火傷の痕・ケロイド、白斑部分を色素注入で目立たなくさせることもできます。

傷痕の場合は傷痕の色や傷の表面の凸凹が目立つ場合、傷まわりの皮膚の赤みがまだ強く残っている場合などは施術に向かないこともあります。

さらに「色素異常症」という皮膚の色が抜けて白くなる病気に分類される白斑(はくはん)部分にもパラメディカルアートメイク施術によって色素を入れてカモフラージュすることも可能です。

・頭髪の抜け落ちた部分に色素を入れてカモフラージュする

年齢やがん治療などの影響で頭髪などが抜けた部分に色素を入れるのもパラメディカルアートメイクができることです。薄毛や脱毛症、植毛手術の傷痕などにも対応でき元あった頭髪の色に合わせた色素を入れて気になる部分のカモフラージュを行います。

4.気になる!パラメディカルアートメイクの費用は?

眉やアイラインなどのアートメイクと同じくパラメディカルアートメイクは医療行為であり、施術を受けたい時には専門の医療機関の受診が必要となります。

そこで気になるのがパラメディカルアートメイクの費用です。費用の目安を以下に挙げてみます。

・乳頭乳輪 片側 初回 30,000円〜80,000円

・乳頭乳輪 片側 2回目以降 20,000円〜40,000円

・乳頭乳輪 両側 初回120,000円

・乳頭乳輪 両側 2回目以降60,000円

・乳輪乳頭再建 50,000円 2回目以降 40,000円

・火傷や傷跡 10,000円〜20,000円

・火傷や傷跡 2回目以降 5,000円

・白斑 25,000円〜40,000円

・乳輪縮小後傷痕 50,000円

・頭皮 40,000円

・フェイスライン 100,000円

これら費用はあくまでも目安でありパラメディカルアートメイク施術を行う医療機関や施術を受ける部位や範囲、回数などによって費用は異なってきます。

5.まとめ:生活の質を高める医療として期待される

パラメディカルアートメイク施術を受けることで病気や手術などで外見のコンプレックスがある人の自信を回復させて生活の質(QOL)を高めることが期待できます。

手術によって乳頭や乳輪を失ったり傷痕が残ったりした女性に向けて施術が行われたり、女性だけでなく体に傷痕のある男性などにも施術が行われることでコンプレックスの軽減が図れるというわけです。

まだ認知度が高いとはいえないパラメディカルアートメイクは、今後日本でもより注目されていくに違いありません。

パラメディカルアートメイクは自分の大切な体の一部にアートメイクを施す保険適応外の自費診療で受けるアートメイクですから、慎重に専門の医療機関を選ぶことが大切です。施術の内容や費用、施術者の技術状況などの情報収集をし事前にしっかりと相談をしてから施術を受けるかどうかを決めることをお勧めします。

 

 

  執筆:編集部員D

 

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