これからアートメイクをしたいと思っている人も、すでにアートメイク施術を受けた人も気になるのが「アートメイク はどのくらい効果が持続するの?」ということではないでしょうか。
ご存知の方も多いと思いますが、アートメイクはいわゆる入れ墨やタトゥーと違い、施術後半永久的に消えないわけではありません。
となるとやはり気になるのが、アートメイクの効果がどのくらい持続するのかということですよね。 今回は、アートメイクの持ちはどのくらいなのか?についてお答えします。
1.ズバリ!アートメイクの持ちは平均2〜3年
結論から言うと、アートメイクの効果の持ちは大体2〜3年であり、それ以降は少しずつ色が薄くなっていくと言われています。
もちろん、アートメイクの施術を受けてから2〜3年するときれいに消えてなくなるわけではなく、少しずつ薄くなっていくというのが正しいでしょう。
ただし、アートメイクを受けたすべての人が約2〜3年で効果が薄くなっていくというのでもありません。
アートメイクの持ちは個人差が大きく、2〜3年経てもアートメイクが薄くならない人もいます。アートメイク施術したクリニックや年齢・皮膚の状態・皮膚のターンオーバーの状況によっても異なってくるといえます。
2.なぜアートメイクが薄くなってしまうのか?
そこで気になるのが、なぜアートメイクが薄くなってしまうのかということです。
その理由をみていきましょう。
・アートメイクの色素が体外へ出ていくため
アートメイクが薄くなる理由の1つに、アートメイクの色素が皮膚のターンオーバーとともに皮膚の外へと自然に出ていってしまうことが挙げられます。
アートメイクの色素は表皮に注入されますが、表皮や角層では細胞が約6週間で生まれ変わるターンオーバーが常に起こっていて、健康な皮膚ではこのターンオーバーが一定のリズムで繰り返されています。
このターンオーバーについてもう少し詳しくみていきましょう。
表皮の最も奥には「基底層」があり、そこで新しい皮膚細胞が作られます。その皮膚細胞が少しずつ上へ押し上げられていき、成長して肌の表面へ表れます。すると今度は、古い角質や垢となって皮膚から剥がれ落ちていき、新しい細胞へと入れ替わっていくのです。
この一連の皮膚の再生過程をターンオーバー、肌の代謝サイクルとも呼びます。
皮膚にあるこのターンオーバーによって、色素も古い角質と一緒に体外へ出ていってしまうため、アートメイク施術部位がだんだんと薄くなっていくというわけです。
・皮膚の浅い層までしか色素が注入されないため
アートメイクで使われる色素は、皮膚の表面(表皮〜真皮最浅層の約0.04〜0.2mm)に注入されます。色素は皮膚表面から浅い層にしか注入されないため、ターンオーバーの影響を受けやすくなります。
皮膚には、以下の3つの層がみられます。
・表皮:皮膚の外側にある薄くて丈夫な層
・真皮:表皮の下にある厚い層
・皮下組織:表皮の下にある脂肪組織がある層
この表皮部分にアートメイクで使われる色素が注入されますが、いわゆる入れ墨やタトゥーは皮膚のさらに深い部分である真皮まで色素が注入されるため、色素は簡単には抜けないと言われています。
このようにアートメイクで使われる色素は入れ墨やタトゥーとは違う皮膚層に注入されるため、持ちが違うわけです。
2.アートメイクの効果を持続させるには?
せっかくアートメイクの施術を受けたのだから効果をなるべく持続させたいとみなさん思いますよね。
そこでアートメイクの効果を持続させるための工夫を紹介します。
・施術後1週間は施術部位に触れたり洗顔・クレンジングは避ける
アートメイクの持ちを良くするためには、施術後1週間は施術部位にもなるべく触れないようにします。また、洗顔やクレンジング剤を使うことも避けることが望ましいです。
色素は傷口に注入されているわけなので、施術後の傷口がまだ開いている状態で施術部位を触ったり、洗顔・クレンジング剤を使って洗ったりしてしまうと、色素が体の外に排出されやすくなってしまいます。
また施術部位に直接メイクをするのも1週間程度は控えることが望ましいと言われています。
細かい注意事項については、それぞれアートメイク施術したクリニックの説明に従うようにしてください。
・ピーリングを避け、ピーリング効果のあるスキンケア商品を使わない
ピーリングとは、ターンオーバーが通常通りに働かくなった皮膚に対して、古くなった角質層をピーリング剤である「酸」を使って皮膚からはく離して、皮膚のターンオーバーを促す方法です。
ピーリングは肌の黒ずみやニキビが軽減したり、肌にハリや潤いをもたらすものとして期待されています。
しかし、アートメイク施術後はこのピーリングをしたり、ピーリングの効果が期待できるスキンケア商品(石鹸や化粧品など)を使ってしまうと、皮膚のターンオーバーがより促されて、色素が抜けやすくなり、アートメイクの持ちが悪くなる可能性が高まります。
そのため、アートメイク施術後にはピーリングを避け、同様の効果が期待できるスキンケア商品などの使用は控えることが大切です。
・皮膚のターンオーバーを一定にする
アートメイク施術後は、皮膚のターンオーバーをなるべく一定のリズムで維持できるように、肌荒れ・紫外線などのダメージを避けて、施術部位にも傷を作らないようにします。
肌荒れや紫外線、傷などで皮膚がダメージを受けてしまうと、皮膚のターンオーバーが乱れたり、ターンオーバーサイクルが早まることが多くなります。
すると、皮膚の注入した色素もより早期に体外に排出されやすくなってしまうわけです。 皮膚のターンオーバーの乱れは、不規則な生活習慣や無理なダイエットによる栄養の偏りなども影響してくるため、アートメイク施術後は規則的な生活やバランスの良い食事、十分な睡眠などを意識していくことで、アートメイクの持ちが良くなることが期待できます。
3.まとめ:アートメイクの持ちは2〜3年、持ちを良くする工夫が大事
アートメイクは、個人差はありますが2〜3年で色素が薄くなることが多いと言われています。
これはアートメイクの施術で使われる色素が皮膚の浅い層までにしか注入されないため、皮膚のターンオーバーなどにより体外へ出されてしまうからです。
色素が薄くなる早さも個人差がありますが、より持ちを良くするためには、施術直後の注意事項を守り、また皮膚のターンオーバーを一定に保つための生活習慣の改善などが助けになるでしょう。 一方で、一度アートメイク施術を受けると色素は徐々に薄くなってはいきますが、完全に消えるわけではないため、施術を受けるときには自分の顔の骨格にあったなるべく自然に近いデザインをよく相談しながら選択することもおすすめします。
執筆:編集部員D